横浜市青葉区若草台の住宅街で開かれているものづくり、絵画教室「Tonttuの工房」。「Tonttu(トントゥ)」とはフィンランド語で「地の精」「建物の精」のこと。銅板画家の佐々木暁子さんが自宅のアトリエで小学生を対象に開いている。佐々木暁子さんは版画芸術2014秋号の「銅版画家25人 新時代を切り開く先鋭達」に選ばれるほどで、その作品には定評がある。
対象は小学生で、月曜日から水曜日の午後4時から午後6時まで。クラス8人の定員制で週に1度開かれる。講師は佐々木暁子さんの他に4人の先生が曜日ごとにサポートしている。
制作では、一人ひとりの個性を重視しており、学年やその人の得意不得意などを考慮し、それぞれにあった個別のカリキュラムで指導しているのが大きな特徴だ。この日は10人の子どもたちがそれぞれの制作に取り掛かっていた。クレイアニメーションやハニカムシートを使ったクリスマスツリー、立体パズルや手のデッサン、靴下を使ったぬいぐるみ制作など、道具も制作内容もとても豊かだ。
子どもたちは先生にアドバイスを受けて、それぞれの作品を仕上げていく。その日だけで完成するものもあれば、次回に続けて作る物もある。5年生、6年生になるとより難しい作品に取り組んでいくので、1回では終わらずに次回に持ち越しすることが多い。
その日の制作が終わると、おやつを食べながら完成した作品をみんなで講評。「Tonttuの工房」では言葉での表現を大切にする。自分の気持ちを言葉で表すのは大人になっても大事なこと。それぞれが作品から感じ取ったことを言葉に置き換えて表現する。講評された方もそれが刺激になって次の作品に取り組んでいく。
この日のおやつは子どもたちのリクエストでポップコーン。実はポップコーンが大好きという佐々木暁子さん。購入したばかりだというポップコーンメーカーを使って、みんなで楽しくおやつづくり。
佐々木暁子さんが「Tonttuの工房」を始めたのは2010(平成22)年。子どもたちにアートを教える教室をやりたいという想いをずっと抱いていた。自宅の新築をきっかけにアトリエを作り、念願の教室を始めた。卒業生の中には中学校で美術部に入った子もいるそうだ。将来的には中学生への拡大や、ダウン症の子どもたちに向けた教室を開くことも考えている。
きめ細かな指導で一人ひとりの感性を伸ばしていく「Tonttuの工房」。才能が見いだされ世界的なアーティストを生み出す日も遠くないのかもしれない。
Tonttu(トントゥ)の工房
所在地:神奈川県横浜市青葉区若草台5-68
電話番号:045-532-8015
営業時間:16:00~18:00(月~水曜日)
http://tonttu-tonttu.com/monodzukuri_hui..