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Channel: 横浜市青葉区エリアガイド
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ふるさと村テニスクラブ

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青葉台の駅前から北へ、世田谷通りの「柿生」駅付近へと至る通称「環状4号線」。交通量の多いこの通りを、青葉台と柿生のちょうど中間辺りで左手に入ると、なだらかな丘陵の麓にのどかな田園風景が広がる「寺家」と呼ばれる地区がある。

ここはちょうど東京都と神奈川県の境にあたる場所でもあり、開発の波を免れたことから昔の風景がよく残されてきたが、貴重なこの原風景を遺すために、1980年代以降、住民と横浜市が一体となって保存活動に取り組み、「寺家ふるさと村」として整備してきた。これにともなって、地区の周囲には散策路や「四季の家」というセンター施設なども整備されたが、同時期に、レクリエーション施設として「ふるさと村テニスクラブ」も設置された。このテニスクラブが2013(平成25)年12月、経営母体を「有限会社ウィンフィールド」に移して、新しくリニュアールした。

ふるさと村テニスクラブ

テニスをする女性

テニスクラブがあるのは、「ふるさと村」のエリアの東の端。広い駐車場も備えており、車を持っている人であれば難なく訪れやすい立地だ。周囲は見渡す限りが田んぼと畑と果樹園。周囲では時期になると「浜梨」「浜ぶどう」「浜柿」などののぼりを掲げ、直売所が出る。クラブハウスの入り口にも農産物が並んでしまうような、何とものどかな場所である。

田んぼや畑が広がる自然豊かなエリア

実はもともと、同社は「ウィンフィールドテニスクラブ」というクラブを、ここから車で5分ほどの場所に経営していたという。しかし周囲が宅地化されたため、移転先として着眼したのが緑豊かな環境にあったこのコートだ。以前よりもずっと広くなったコートに、昔からの両クラブの会員さんもほぼそのまま引き継がれ、和やかな雰囲気で交流を深めているそうだ。

コートは車道を挟んで2つのエリアに分かれており、クラブハウスから道を渡った側(東側)はスクール用のコート、センターに隣り合ったメインのコートは会員用のコートになっている。スクールのコートにはナイター設備が無いので、夕方以降のジュニア向けスクールの時間には利用が入れ替わる。基本的には朝から日没までの営業だ。

受付の女性

今回、撮影に訪れたのは午後の3時頃。この時間帯にはシニア層の正会員の利用が多いということで、駐車場はほぼ満杯で、多くの人がゲームに興じていた。年齢を感じさせないキビキビとした動きと、ハツラツとした笑顔が印象的だった。ほどよく身体を動かし、声を掛け合えるテニスの楽しさを一番満喫しているのは、この年代の方々なのかもしれない。

ラケットを構える女性

サーブをする男性

会員はフルタイムで利用できる「正会員」のほか、年会費が割安になる「平日会員」、「平日午前会員」も設定されている。現在、人気の高い平日会員はキャンセル待ちの状態だそうだが、その他の枠や、最近新たに設けられた「青年会員」(35歳未満)の枠には余裕があるとのこと。気になる人は一度見学に行ってみてはいかがだろう。

会員は基本的に経験者が対象で、仲間同士で自由に楽しむというスタイルになるが、これとは別枠で「スクール」も開講している。こちらは半期4回で約1万円、1期8回で約2万円というリーズナブルな値段で、初期にかかる費用も少ない。年代や習熟度に応じて色々な講座が開かれているもので、キッズ、ジュニア、ベテラン、初心者など、どんな人にもあてはまるだろう。

もちろん講師はこの道のプロのコーチ陣で、中には全日本大会で優勝した女性コーチも、現役で在籍しているのだとか。そんなベテランコーチ達が、まったくラケットを握ったことの無い初心者に対しても、持ち方、構え方から正しく指導してくれるというのだから心強い。また、最大でも6~10名という少人数制のスクールなので、しっかりと技量にあった指導を受けられ、親睦も深まりやすい。特に何月のスタートという仕組みではなく、希望者は基本的に一度無料体験(子どものみ有料)に来てもらい、その様子を見て所属するクラスを決めるそうなので、まずはフロントに問い合わせてみてほしい。

ふるさと村テニスクラブ

また、このスクールならではの魅力のひとつは「大人のスクール生のお子さんは、小学3年生まで無料で受講できる」という凄い特典があること。時間帯は大人と子どもで分かれているので、別に子どもだけを送迎する必要も出てくるが、「将来は親子でテニスを楽しみたい」と思っている人は、これを見逃す手は無い。また、スクールのコートを使っていない時間帯は、レンタルコートとしての提供も行っている。「ちょっとだけ使いたい」といった時にはこれも活用できそうだ。

ボールを捕える女性

横浜市には何十、何百というテニスクラブがあるはずだが、恐らく、こんなにも田んぼに囲まれ、自然豊かな環境にあるクラブはほかに無いだろう。「特に素晴らしい施設というものは備えていないですが、この田園風景の中で楽しめるというのが、このクラブの一番の良さだと思います」と話してくれたのは、クラブの支配人である世永佳子さん。確かにその言葉どおり、同じテニスというスポーツでも、ビルに囲まれた場所でするのと、広い空を眺めながら、緑の匂いが乗った風を感じてするのでは、だいぶ気分が違うだろう。

特に便利な施設は無い、場所も駅から離れている。でも、テニスをして一番楽しいと感じられるコート。それがここ、「ふるさと村テニスクラブ」なのだろう。この日ここを利用していた人々も、恐らく多くは都会に育ってきた人のはずだが、なぜか田舎でくつろぐようにのんびり、気楽に過ごしているように見えた。すれ違うたびに誰とでも挨拶を交わし、声を掛け合い、笑い合う姿も印象的だった。聞けば交流イベントもかなり頻繁に行われていて、会員同士の仲は年代を問わずとても良いのだとか。こんな素敵な場所でテニスが楽しめるのは、この界隈に住む人だけの特権なのだろう。

休憩時間

ふるさと村テニスクラブ
所在地:神奈川県横浜市青葉区寺家町155(ふるさと村内) 
電話番号:045-960-0210
営業時間:8:15~18:15
定休日:月曜日
http://www.e-winfield.com/


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